自己紹介できる事と、自分がどんな職業に適しているのかと言う事には共通している大切な事があります。
それが、「自分を知っている」かどうかって事です。
内観的な自己認識なんて深い意味での「自分を知っている」ではなく、あくまでも人に説明できる程度に知っているという意味でお話ししています。
話がそれますが、自分の行動を顧みて考えるなんて事は、突き詰めればそれだけで一生を終えてしまうテーマです。
後世に名を残す内観の天才である哲学者でさえ、それだけで人生を終えているくらいですから。
1.私は何をすることができるか。
2.私は何を為すべきであるか。
3.私は何を希望してよいか。
4.人間とは何であるか。
第1の問いに答えるのは形而上学であり、第2の問いには道徳、第3の問いには宗教、第4の問いには人間論が答える。
結局これらすべては人間論に含ませてよいであろう。
これは、カントの言葉ですが、どれも明確な答えを出すことが困難なものばかりです。
それを人間論に含めて考えろと言われても、余計ややこしい気がしてしまうわけですよ。
ですから、凡人である僕たちが「自分を完全に知る事が出来る」と思う方がおかしなことですよね。
こう言った事を踏まえて、人に説明ができる程度「自分を知っている」自己確認して頂きたいんですが、これだって闇雲に調べても答えには辿りつけないのです。
難儀な事に(苦笑)
ですから、書籍やネットで話している「自己分析」と言われているものをして、自分の事を知っている気になってしまうのがホントは一番怖いんですよね。
くれぐれも慎重にして頂きたい訳ですよ。
ホントに。
さて、話を戻しましょう。
なぜ「自分を知ること」で、自己紹介をする事も適した職業を把握する事もできるようになるのか、ですね。
まずは自己紹介ですが、これについては当たり前ですよね。
他人に自分を伝えるのに自分を知らなければ話しようがないですから。
・自分がどんな人間性を持っているのか?
・自分がどんなことをやってきたのか?
・自分がどんなことを望んで生きているのか?
そういった総合的な表現が、「自己紹介」という訳です。
例えば、自分がどんな人間性を持っているのか?
については、どんなことに反応して、どんなことに興味があって、どんなことに対して怒りや恥を感じるのか、何てことです。
次の、自分がどんなことをやってきたのか?
については、もうこれは単純にスキル的な意味であなたのできる事ですね。
最後の、自分がどんなことを望んで生きているのか?
これについては、「志向性」と言うべきものです。
自分がどんな事を達成させたいのかという、願望や理想を含んだ人生の指針となる考えですね。
サラッと話していますが、こう言った部分を明確にして初めて「自分を知っている」レベルに行ける訳です。
初対面の人に、自分がどんな人間なのか説明することは普段機会が無いので難しく感じるものですが、重要な要素なんです。
「自分を知る」というのは。
では次に、自分に適した職業の把握についてです。
これだって、自分の事を良く理解していなければいけません。
・自分が物事に対してどんな気持ちを持つのか?
・自分が今までどんなことを習得してきたのか?
・自分がどんなことを今後していきたいのか?
仕事なんてものは新しい事や同じ作業の繰り返し、人との営みなんかが入り乱れている訳ですから、自分がどんな事に対してどんな反応をするのか知っておかなければいけない訳です。
他にもどんな事を習得してきたかで、適した職業の幅というものが広がったり狭まったりしますので、この部分も重要ですね。
仕事においてのモチベーション、いわゆる原動力みたいなものは人の欲求や願望からくるものです。
どうですか、自分の事を良く理解する事が必要だと分かって頂けましたか?
自分を知る、だけでは少し抽象的ですが、自己紹介や適した仕事を明確にするには、まず「自分を知っている」と言う事が大切だと押さえて頂ければそれでいいです。
長々と書きましたが、ここが一番重要です。
「自分を知る」
これは自己分析と言うよりももっと根本的な話なので、「自己観察」と表現した方がしっくりきます。
そういった意味で僕は使っていますね。
一応エクササイズとして、先ほどあげた3つを考えると良いと思います。
・自分がどんな人間性を持っているのか?
・自分がどんなことをやってきたのか?
・自分がどんなことを望んで生きているのか?
これを考えて自分の理解をして頂く事から始めてみて頂ければ、自己紹介も自分に適している企業も新しく見えてくる部分が出てきます。
そうなれば、今までよりも選べる企業が増える訳から、一歩再就職の道が開ける訳です。
ちなみに冒頭で話した方には、僕が用意した「自己観察」をして頂き、自分にどんな職業が適しているのか考えて貰いました。
まあ結果としましては、今までは人と接する事に抵抗があって、なるべくそういった職種を避けて選ぶ傾向があったみたいなんですが、自己観察の結果意外にそうでも無い事を見いだしたようで、いくつか選択できる職種が増えました。
喜んでいただけましたが、その人がやったことの本質はタダの過去の確認。
大したことではないんです、ホントは。
何をするのかの指示は出しましたが、もともとその人の中にある経験を僕の質問を「きっかけ」に呼び起したに過ぎません。
あなたも自分の事をしれば、今より選択できる企業の幅が必ず増えます。
ハローワークでもネットでも、募集状況が好転する事は残念ですがほぼありません。
ですから、まずは自分を見つめることで、こちらから打開する行動を考えて見て下さい。