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言葉の強さ

言語というものには、それぞれ「意味」があります。

本。

自転車。

テスト。

審査。

インターネット。

鉛筆。

これらすべてに意味があり、あなたはそれを理解できると思います。

上記で分からない物ってないですよね。

1つ1つの言葉、例えば本なんかパッと頭に浮かんで、どんな大きさで、色で、内容で、と勝手に頭に浮かんで把握できると思います。

当然他の自転車やテストなんてものに対しても、わざわざ説明しなくても同様に頭に思い浮かべる事ができるでしょう。

まあそうでなければ、日常会話すらままならない状態になってしまいますので、今更言うまでもないといえばないでしょうけどね。

さてそんな当たり前のことをなぜ話すかというと、コミュニケーションにおいて「言葉の意味を相手が理解していない状況」というものを想定しなくてはいけない時あると言いたい訳です。

つまり、本や自転車のようにパッと意味が浮かばない場合という事です。

例えばですね、今から2つの文章を出すんでそれをそれぞれ読んでみてください。

「僕は今とてもお腹が空いています。しかし、今日はうだる程暑いので、おもい物を食べたくない気分です。そこでサラッと食べられる暑い日の定番そうめんを食べる事にしました」

どうです、意味的に理解できましたか?

うだる、おもい物、定番、そうめんと言葉が並んでいますが、そのすべてを完全に理解できましたか?

まあこの程度なら説明する事もなく理解できると思います。

うだるとは茹だると書き、卵が茹だるなどの意味として使いますが、この場合は暑さのために体がぐったりしている様を比喩表現として使用しています。

またおもい物というのも、お腹に負担が掛かるという意味を含む比喩ですね。

定番とかそうめんなんかは、そのままの意味です。

これはパッと意味が浮かんで内容が理解できると思うんですが、では次の文章はどうでしょうか?

「ラッセルとヒルベルトは完全性と無矛盾性を併せ持つような数学全体を導くためには、適切な公理系を見出すことが重要であると考えた。

しかし、ゲーデルは「自然数論を含みかつ無矛盾である計算可能な公理系には、内容的には真であるが、証明できない命題が存在する」という不完全性定理を示した。

つまり、二階述語論理より強い表現力をもつ公理系(これには算術体系が含まれる)においては、立証も反証もできない灰色の領域が必ず存在することが示された」

どうですか?

意味わかります(苦笑)

同じ日本語か、と疑いたくなると思いますが日本語ですよ(苦笑)

僕の文章を読んでいるあなたなら、以外にこういった分野も好きで内容自体を理解できる人もいるでしょうが、普通は??となると思います。

完全性、無矛盾、公理系、真である、不完全性定理、二回述語論理などなど、意味分らんですよね。

はじめて見るんだったら。

なおラッセル、ヒルベルト、ゲーデルは気付いているかもしれませんが、人の名前です。

まあ言葉の意味だけならボンヤリ分るかもしれませんが、それを全体にまとめて話を理解しようとなると、もうお手上げとなってしまうでしょうね。

一応説明しておくと、数学がどんな問題でもその真偽を判定可能で、突き詰めれば世界の真理を見出せると信じられていた時代、ヒルベルトを筆頭にそれを証明しようと試みた事があったんです。

ヒルベルトやラッセルは、数学体系の完全性を証明する事で数学者の究めるべき道が崇高でまた歩みやすくなると考えた訳です。

しかしそんな時、若きゲーデルが「数学ってのは理論的に不完全で、完全なんてありえないよ」と異を唱える形で示した訳です。

これが不完全性定理。

そして、二階述語論理(これは数理論理学の形式体系のひとつです)より高い公理とありますが、二階述語論理は数学のほぼ全領域を形式化するのに十分な表現力を持っていますので、数学全体に立証も反証もできない灰色の領域が必ず存在する事が付随してわかる訳です

ようはですね、数学でも解けない問題がこの世にはある、と明確に示されたんです。

示されたんですが、当時の哲学者、数学者、科学者なんかは大きな衝撃を受けたんですね。

それが、ゲーデルショックと呼ばれ今日まで語り継がれている訳ですよ。

ま、この辺の話はさておき、論理的に突き詰めていけばどんな問題についても真偽の判定ができると信じて疑わず、それを積み重ねていけばいつかは真理に辿り着けると信じていた人々。

 
そんな人たちにとって、ゲーデルの不完全性定理は証明されてはいけない考えだったんです。

ですが、不完全性定理は証明されてしまい彼らに大きな絶望を与えてしまった訳です。

それが1930年代のお話です。

・・・・・・・・・と、話がすごく脱線しましたが上記の文章を読んで理解できない事を実感できれば問題ないです(苦笑)

上記で挙げた2つの文章で言いたい事はですね、

1つ目は、言葉の意味にも比喩みたいな別の形で汲み取る事のできるものがある事を知ってもらう。

2つ目は、言葉の意味が分からないと全体を理解することはほぼ無理。

この2点を実感してもらえれば良いです。

ここで先ほど話した、「言葉の意味を相手が理解していない状況」というものを思い出して欲しいんですが、面接においてあなたの話す言葉の中の意味が分からず、面接官にアピールが伝わっていない可能性を考慮しないといけない、という事も押さえておいて欲しいんです。

無料レポートで言っている相手が反応する「キーワード」って言うのは、面接官が理解できる言葉という事です。

言葉の意味。

それが対話の中で相手にどう伝わっているのかという視点で見たとき、自分の話すべき言葉、内容を出来るだけ分かりやすくする事がとても重要だと理解できますよね。

さて最後になりますが、今回話した不完全性定理の話って全ての人が??となるでしょうか?

・・・・・・・そう、ならない人がいるんですよ。

例えば哲学を学んでいる人なんか理解できてしまうんです。

なぜなら、言葉の意味を理解しているし、馴染みのある言葉が並んでいるわけですから抵抗無く文章を読んでいけるんです。

ようは哲学者にとっての「専門用語」って事です、僕らが分からないと思った言葉って言うのは。

他人には分からない言葉も、その分野に身を置く人にとっては理解できる。

これを押さえておけば、面接での対話で「専門用語」をあなたは活かす事が出来るわけです。

企業分析では、その点も考慮してぜひリサーチしてください。

では。