面接で良く聞く意見として、
「他の人とは違うと感じてもらいたい」
と言うものがあります。
なぜなら、面接官にそう感じて貰えることが如何に有利に働くのかは、説明する必要までもありませんからね。
面接では第一印象を良くしたいと良く聞きますが、面接官の記憶に残りたいと考える人も多いですし、後者の方が比率的には重要度が高いです。
で、記憶に残すのに一番手っ取り早いのが、他の人とは違うと感じて貰う事なんですね。
例えば、どこにでもいそうな人よりも明らかに変わっている人の方が記憶には残り易いですよね。
インパクトが違いますから。
ただインパクトのみを求めても、奇妙な発言をしたり奇抜な行動に出たりと、なぜか変なベクトルに思考が飛ぶ方がいますので気を付けて下さいね(苦笑)
ただ記憶に残っても仕方がありませんから。
あくまでも、他人と比較された時に「企業人として」他の人とは違うと言う意味で理解して下さい。
分かっていると思いますが。
では他人と違う自分を表現するにはどうすれば良いのか?
って事になりますよね。
付加価値を付けて差別化をする・・・・・なんて事が言われますが、そう簡単に他人と差別できるアピールポイントが見つかれば苦労はありません。
だからこそ、企業分析や自己分析を徹底してやるんですが、多くの人はそれをやりたがらない。
なぜか?
メンドクサイ、って事が一例に挙げられると思うんですが、根本的に理解していない事が原因だと僕は思っているんです。
理解していない。
これがすごく重要なキーワードです。
他人と差別化できるという視点で質問なんですが、そもそもなんで企業分析や自己分析をしなくてはいけないのか?
この問いに答えが無いのなら、分析なんてものはやってもやらなくても良いと言う事になってしまいます。
企業分析で企業を知るのは当たり前です。
自己分析で自分の能力を如何に企業に役立てるのか見る事も大切ですが、それも当たり前です。
しかし、これだけでは他人と差別化できるという「答え」にはなりません。
そんなものは他の人もやっている事なんで差別化にまではなりませんよね。
やってて当たり前の前提。
ではそこから一歩秀でる為に、企業分析や自己分析をどう見ているのか?
そこを考えてみて欲しいのです。
さて、上記の答えが思い浮かばない人の為に話を少し変えましょう。
あなたは量より質と言う言葉を知っていますか?
この二元論的などっちが良いのか的な考えは大きな誤解を生んでいるかもしれません。
例えば何ですが、ボールペンを使って何かするとした場合、その用途を挙げられるだけ挙げてみましょう、という問題があったとします。
1.紙に文字を書く事ができる
2.線や円、グラフをかく事ができる
3.情報を紙媒体に残す
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8.2本使って箸にする
といくつか挙げたとします。
これ何ですが、何について聞くのかでも変わるんですが、200人くらいに同じ問題を出すと概ね10個くらいまでの答えって似てくるって言うデータがあるんです。
ボールペンで思い付く用途って。
で、そこから先なんですが、バラバラ。
もう見事なほどにバラバラになるんです。
例えば、ボールペンのキャップを集めて一旦溶かし新しい物を作る、なんて物もありますし、1000万本集めてイカダを作るという考えもありました。
まあ単なる思い付きと言えばそれまでですが、そう言ったものって他の人は絶対考え付かないと言う事にもなりますよね。
さてさて、この問題を出したキモなんですがあなたに発想力があるかないのかなんて事ではなくてですね、たくさん出す事によって他の人とは明らかに違う自分だけの答えが出る、という事を知って頂きたかった訳です。
もうこの1点のみ、なんですね。
最初の数個~10個ぐらいは他の人と似たり寄ったりの答えになる。
しかし、それ以降は全く異なる答えが出てくる、と言う事です。
ここが本当に重要な所なんです。
つまり僕が良く言う考えると言うのは、ここまでやってこその「考える」なんです。
少し考えて思い浮かんだものを答えにしていては、他の人と被る可能性が非常に高い訳です。
ですから、考えることで到達することができる「答え」がある、と知っておく必要があるんです。
3個か4個考えて自分は考えたと本気で思う、考える事を安易に捉える人には答えが出る訳ありません。
ちょっと考えれば、自分は考えた。
3、4個考えれば、すごく考えた。
5個以上考えれば、考えた自分自身を褒め称えるわけです。
その程度では、他の人と同じものしか出ないのに(苦笑)
量より質という言葉がありますが、真実は「量こそが質を構築する」、です。
質を求めるなら量をこなす。
これが真実。
では先程の質問に戻りますが、他人と違う自分を表現する為に企業分析や自己分析をなぜするのかって問いなんですが、答えは見えてきましたか?
答えは至ってシンプルなんですが、量を出すためにやるんです。
なぜなら、これこそ作業をするだけで自然と他の人とは違う答えが作れるから、ですね。
例えば、企業分析で事業内容を見たとしましょう。
ケーキを売っている店舗だったとして、
1.ケーキを販売している
2.その他(プリンやチョコーレート)を販売している
3.全国に配送している
4.接客にて商品説明をする
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25.近所のお菓子好きが集まるので、値段は少しはるが美味しい
26.男性専用のチョコレートコーナーがある
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46.店員が奇麗な人ばかり(容姿重視なのか?)
と、数を出せば出すほど自分の答えって言うものが出てくるので、その中から活かせるものを見いだしていく訳です。
「他の人とは違うと感じてもらいたい」と思うのなら、どんな作業でもそうですが量をこなすんです。
普通の人達が考えないぐらい数を出す事で、おのずと他の人とは違った答えが出てくる訳です。
それを自己PRや志望動機、退職理由を書く際に活かしていけば、自然と他の人とは一味も二味も違うアピールができるんです。
企業分析や自己分析をする際に、他人と差別化する為に気を付ける点は何か?
量をこなす、です。
単純ですが、これを知っているのと知らないのでは企業分析や自己分析をする意識に雲泥の差が出ます。
ただやるのではなく、数をこなす事が如何に重要なのか常に覚えておいて下さい。